お茶のミニ知識~チャ(茶の樹)とは
碾茶(お抹茶の原料)の製造工程

碾茶(てんちゃ)の製造工程 栽培は摘採の約20日前から茶畑を藁や葦簀、寒冷紗で覆い、直射日光を遮って旨味成分(テアニン)を増やし、渋み成分(タンニン)の生成を抑えます。摘採は遮光した茶葉の新芽を適切な時期に大勢で摘み取ります。そして摘んだ茶葉を蒸して、酸化酵素の働きを止めて鮮やかな緑色を保ちます。次の工程は冷却・乾燥して蒸した茶葉を揉むことなく、大量の風を送り冷却・乾燥させて荒茶を作ります。乾燥させた荒茶から、茎や葉脈、古い葉などを除去し、碾茶の原料となる葉の部分だけを選び出します。再度乾燥させ、選別を経て、碾茶の状態に整えます。碾茶は冷蔵庫などで温度・湿度を管理して保管されます。

碾茶用の茶畑
碾茶用の畑

茶畑に藁や葦簀、寒冷紗などの覆いをかけ、日光を遮って栽培します。これにより渋み成分は少なく旨味成分を増やし、鮮やかな緑色に育てます。

手摘みした茶畑
手摘みした茶畑

高級品は5月の適切な時期に手摘みで、大人数でやわらかく旨味の多い新芽を摘み取ります。抹茶特有の覆い香がついて風味の良い物が出来ます。

給葉機
給葉機

摘採後。生葉保管中に生葉が蒸れて絡み合うなどが原因で生葉投入量が均一でないと蒸し機での蒸しムラや碾茶機などで乾燥ムラを葉捌きしながら防ぎます。

生葉篩分機
生葉篩分機

蒸機投入前に使用して、苞葉や切れ葉などを混入するのを防ぎ、蒸機の網胴目詰まりや碾茶機での乾燥による品質低下を防ぎます。

 
蒸機
蒸熱機

茶葉を蒸気で蒸して発酵を止めます。碾茶の茶葉は揉まないので短時間で処理されます。そのため使用されている蒸熱機は攪拌の羽根がやや大きい。

冷却散茶機
冷却散茶機

蒸機から出た茶葉青みを保ち蒸葉を展開させるため、高さ5~7m程度の枠に網を張り送風機で4~5回空中に吹き上げ、水分を除去して急速に冷却します。

碾茶機
碾茶機

碾茶製造工程の主な乾燥装置です。高さ2~4m、長さ10~15m、幅3mで多くはレンガ積みです。機械と言うより構築物です。構造は加熱部と熱を伝える煙道と金属コンベアが有ります。

木茎分離機
碾茶機

碾茶製造工程の主な乾燥装置です。高さ2~4m、長さ10~15m、幅3mで多くはレンガ積みです。機械と言うより構築物です。構造は加熱部と熱を伝える煙道と金属コンベアが有ります。

抹茶の販売について

お抹茶の主な産地は京都、鹿児島、愛知、静岡などが有ります。お抹茶は茶道で使用する高級抹茶と飲食店で使用する抹茶ラテや焼酎割り、洋菓子店などで使用する抹茶ケーキなど業務用抹茶に大別されます。弊店では業務用抹茶は静岡県産を販売しています。香りの強さと色の良さが特徴です。これから全国的に「碾茶」を栽培する産地が増加するものと思われます。

碾茶茶葉
碾茶茶葉

見たとおり普通の煎茶と違い揉まないで、平べったい形になっています。臼などで挽いて微粉末にしますので、このような形状にとどめています。

ビーズミル機
ビーズミル機

粉砕室内のビーズを高速で撹拌し、ビーズ同士の衝突やせん断力によって対象物をマイクロ~ナノサイズまで微細化・分散させる装置です。

石臼粉砕機
石臼粉砕機

同じ力、同じ方向、同じはやさでゆっくりと手間暇かけ、丁寧に粉状に挽いていく方法。一時間でできるのはたったの約40gです。

出来上がった抹茶
出来上がった抹茶

吹けば霧のように舞います。一般的に5~10ミクロン程度で、髪の毛の太さ(約80ミクロン)の約1/8~1/16です。