合資会社 静岡園

食べるお茶

チャの葉を摘み取る時期や方法によってお茶の品質が大きく変わってきます。前年と春先の気象条件によって、お茶の生育状況が毎年違ってきます。茶葉の摘み取りのタイミングが重要になってきます。チャの葉を摘み取ることを「摘採」と言います。「摘採」には時間と慎重さを求められます。

箕に入ったお茶

■お茶を急須で淹れたときに溶け出してくる「水溶性成分」と溶けない「不溶性成分」があります。水溶性成分にはカテキン、カフェイン、ビタミンC、テアニン、γ-アミノ酪酸(GABA,ギャバ)などが含まれ、人に対していろんな生理作用を示します。かたや不溶性成分のβ-カロチン(プロビタミンA)、α-トコフェロール(ビタミンE)、食物繊維などは比較的多く含まれているのも関わらず,「お茶」に溶け出ることはなく、かなりの部分茶殻として捨てられています。
■歴史的をひもとくと、お茶は必ずしも「飲用」だけではなく、食べられていた歴史があります。抹茶は粉にして飲んで茶葉成分の全てを利用してきました。しかし、茶成分の解明などが深まるにつれて機能に関心が深まると共に、最近はこれらの成分の優れた機能を無駄なく利用しようとする機運が高まってきました。

■Β-カロチンとα-トコフェロールはいずれも抗酸化性の脂溶性ビタミンで、体内に入るとそれぞれビタミンA、ビタミンEの作用を示し、がん予防や老化抑制に効果が有るして知られています。食物繊維は便秘を予防(整腸作用)したり、結果大腸がん予防因子ともなるといわれています。ビタミンEはナッツや植物油に多く含まれ、これらからの摂取は高カロリーを伴いますが、茶葉から摂れば低カロリーでダイエットにも優れています。

かぶせ茶の直掛け被覆

■茶葉を1~2mm程度の粉にして食べることにより,これらの不溶性成分が体内で利用されることが実験的にも確かめられつつあります。ちなみに,上級煎茶の粉茶を1日6g食べると,日本人のビタミンA必要量の約1/2,ビタミンEの必要量の約半分を取ることができるといいます。最近では茶葉を細かくする電動ミルが家電量販店などで販売されていて家庭で簡単に細かく加工出来ます。
■また緑茶の風味や香り、色、栄養分としての本来の利用だけでなく、消臭効果・抗酸化機能などを食品加工へ利用したり家畜飼料に添加して食肉や鶏卵の品質向上を目指す試みもあります。また緑茶を食品として料理に積極的にも活用し,その普及をはかるため各地に研究会ができています。緑茶を使用した学校給食の12ヶ月間のレシピも公表されています。 


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