繁殖法
チャの樹はかつては種子繁殖による栽培も見られましたが、遺伝的に不均一のため挿し木による栽培になりました。チャの実用的な挿し木方法は地床に作られた挿し木床に直接挿し木する普通挿しとビニール被覆挿しなどかあります。挿し木の時期は6月上中旬が適期です。挿し木床は保水性と肥沃な土壌が望ましい。
定植
春三月が定植の適期になります。寒冷地では寒害の恐れがなくなる四月に入ってからの方が良いとされています。一般的には二年生苗(普通挿しによる苗)を使用する。その中でも良い苗を準備します。葉が大きくて幹が太くて側枝が下部から出てよく発達し、根が多くよく伸びているもの。栽培方法には単条植えと複条千鳥植えがあります。

定植の手順
①うね位置決め　最初の基準うねを決め均等に割り付けていく。　
②植え溝掘り　雨が少なく途上が乾燥している状態で行い、土壌を風化させておく。
③土壌改良資材の投入・混和　植え溝に投入した土壌改良材資材・元肥と土を混和する。
④埋め戻し　ほぼ埋め戻された状態まで土を戻す。
⑤植え付け

植え付け作業の手順
①割り付け　
植え穴位置表示　うねの位置を確認し割り付ける。うねが曲がらないように植え穴位置を表示しておく。
②植え穴掘り
苗の大きさに合った植え穴を掘っていくろ。　
③苗植え付け
根を乾かさないように注意する。
深植えになったり、根が折れ曲がったりしないよう、根は下に向くように植え付ける。
深植えになると二段根になりやすいので、とくに粘質土壌では注意する。
④灌水
一株あたり4～5リットル程度灌水し、水の力で土と根がなじむようにする。
植え付け後できるだけ早く灌水する。　
⑤土寄せ
灌水によって株元周囲の土が沈み、根が露出しないように土寄せを行うとともに、株元や条間の土をならす。　
⑥しき草
稲わらや山草などを株元に敷き詰め、土壌乾燥を防ぐとともに、苗を固定する。
⑦せん枝
分岐を多くし、吸水と蒸散のバランスをとるためにせん枝を行う。
側枝の伸びや位置を見て、2年生苗では地上15～20cm程度、成葉10枚以上を残してせん枝。