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お茶箱の歴史detail

お茶箱の歴史と特性について

■茶箱の始まりはいろんな説があるが、江戸時代頃から使い始めたらしい。このころ外国へお茶を輸出していた。そのために袋に入れたお茶を箱のようなものに入れたのが茶箱の始まりとされている。当時から茶の主な産地である静岡県が茶箱の元祖であると考えられている。茶箱の材木は昔から杉である。杉は木自体が柔らかく、木が湾曲するのを防いだり、匂いを取るために、平均して2ヶ月ほど天日干ししたものを使用する。杉が使われる理由としては、昔は近くの山からすぐ手に入り、水分が多い時は水分を吸い、少ない時には出すという吸湿調整機能に優れている杉は湿気や乾燥を防ぎやすいからである。杉製の茶箱を使うことは湿気や乾燥を嫌う茶葉にとって、とても良い材料であると考えられる。

       

■湿気から茶葉の品質を守るための工夫として、昔はは杉で作った茶箱の内側に、柿しぶを塗って防湿加工をした渋紙というものをひいていた。その後、さらに防湿防乾機能を上げるために亜鉛板やスズを貼るようになり、今では鉄板に亜鉛メッキをつけたもの(トタン)を貼るようになっている。基本的なメッキの貼り付けは他の業者に依頼するが、角やつなぎ目などは製箱所で加工する。工程としては、まず塩酸で汚れを落としてから、ハンダを熱した銅製のコテで溶かしながらつなぎ目などに貼り付ける。

       

■蓋にも工夫が施されている。現在の茶箱は基本的には上から被せる被せ蓋だが、蓋枠を受ける枠を身の縁よりやや下げて取り付けることでガタガタすることがなく、気密性も高まっている。この形式は外国に例がなく、わが国唯一の箱の特色と考えられている。

             

■規格に関しては、一昔前は茶箱にラベルを張って送る際、茶葉の入っている量は貫匁(3.75kg)の単位で10貫匁・12貫匁・16貫匁の単位の茶箱が使用されていた。現在は茶箱はキログラム単位でお茶が入る規格になっている。一番茶を入れるためとしては20キログラム用の箱が中心で流通している。1 番茶の終わりから2 番茶はあまり高く売れないため、それよりも大きい40 キログラム用の箱を中心に使った。

       

■上等なお茶は単価が高いため、小さめの10キログラム前後の箱を使うことが多かった。そして、一番大きな60キログラム用は輸送用というよりは、茶工場内で機械の下に入れて、余った茶葉などを入れておくことが多かった。そのため、それぞれ茶工場には60キログラム用の茶箱が何十個もあった。いずれにしても昔から質がいいお茶なほど小さい茶箱に入れて送る傾向があった。実際、これは茶の輸送手段として茶箱に限った話ではなく、現在茶葉の輸送において多く使われている袋詰めの方法においても、時代がすすむにつれ、茶葉のより良い品質を保つために一つ一つの包装の大きさがますます小さくなってきている。