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お茶の被覆栽培とはdetail

チャの樹に覆いを掛けて栽培する方法を「被覆栽培」といいます。お茶の玉露、てん茶、かぶせ茶を生産するときの栽培方法です。被覆栽培は日光を遮る(遮光)事と保温が目的です。遮光することにより光合成が抑えられて、新芽が成長しても葉が硬化を遅らせる事が出来ます。これによって摘採の期間を長くすることが出来て、また保温により霜を防げたり摘採時期を早めることも出来ます。
被覆の一番の長所はお茶の品質を高める事に有ります。遮光することにより、チャの樹が精一杯がんばるため、葉の中のアミノ酸類やうま味の素のテアニンが増えます。テアニンは日光を浴びるとカテキンに変化する性質がありますので、遮光するとこの変化が抑制されて苦みや渋みの素のタンニン(カテキン)が露天栽培より少なくなります。味の面では被覆栽培のお茶の方が露天栽培に比べてうま味とか甘みが強くなり、苦みや渋みが少なくなります。また被覆すると「覆い香」と云われる青のりのような香りがついて、クロロフィルが増えるので葉の色の緑色が鮮やかに濃くなります。玉露の濃厚な滋味や独特の覆い香と鮮やかな緑色は被覆栽培のおかげです。

      

被覆して栽培するお茶には玉露、てん茶、かぶせ茶が有ります。玉露は日本茶の最高峰に位置するお茶で、てん茶は抹茶の原料になるお茶です。かぶせ茶は玉露より短期間の簡易被覆のお茶で玉露の特徴を持たせた物です。煎茶は自然の日光の直下で栽培しますが、玉露やてん茶は茶園全体に棚を作って被覆して育て、遮光した状態で葉を開かせます。最初に新芽が1〜2枚開き始めたら、遮光率70〜80%の覆いを掛けます。7〜10日後に更に遮光率95〜98%します。被覆をしてから20日後くらいが摘採にちょうど良い時期になります。 覆いに使用する物は昔から有る「よしず」、「わら」、「こも」、黒色の寒冷紗があります。かぶせのお茶の場合は玉露より簡単に遮光率の低い寒冷紗を使用したり、期間を短くしたり、チャの樹に直に被せたりします。