一般的に煎茶は渋味とうま味がバランス良く、飲んだ後に口腔に清涼感が漂い残る物が良いとされています。日本茶には、茶種による分類の玉露、煎茶、番茶、ほうじ茶などのお茶があり、製法の蒸し工程の違いで「深蒸し茶」や「浅蒸し茶」と分類することも有ります。いずれの茶にも味の成分として、苦渋味のあるタンニン(カテキン)、苦味のあるカフェイン、うま味、甘味のあるアミノ酸、甘味のある糖類などが含まれています。そして、煎茶では、タンニンの苦渋味とアミノ酸のうま味のバランスが重要と考えられています。
【深蒸し煎茶(全般)】
■煎茶の中でも深蒸し製法によるお茶の割合はかなり増えていると思われます。葉の形状はほとんど有りませんが、うま味とコクのある濃厚な味が楽しめるお茶です。
■深蒸し煎茶は一般的な煎茶(淺蒸し)より茶葉を長い時間をかけて蒸します。その為茶葉の形は悪くなりますが、反面 味の面では渋みがおさえられ、濃厚なコクとうま味が強く、出したときの色がきれいで差しが効くお茶です。水の条件の悪いところでもおいしく出ますので、近年、急速に生産が増えているものと思われます。
■この茶は1〜2人前で茶葉を4〜5グラムを急須に入れて、ポットのお湯をいったん湯冷ましに入れてさまし、それを茶葉の入った急須に入れて、1分間おいて蒸らします、その時お湯の量は七分目くらいがおいしいポイントです。くれぐれもなみなみ入れないでください。そして絞りきって湯飲みに交互に注いで急須の中の溶液を絞りきって下さい。そうすれば二煎目もおいしくいただけます。そのほかに大勢のお客様に熱めのお湯で出す場合、5人前で10〜12グラム程度、茶葉を急須に入れてお湯の温度も高めで90℃位で、30秒待って均等に湯飲みにつぎ分けて下さい。
【普通煎茶 (上級品)】
■従来から有る製法のお茶です。深蒸し製法のお茶よりどちらかというと、生葉に近いお茶ですので、葉の形状も色もしっかりしています。上品な新鮮な甘み、うま味があります。お茶屋さんはこれを深蒸し茶に上手にブレンドしておいしいお茶に仕上げます。
■一番茶、二番茶の早摘みのお茶を昔からの蒸し方で作ったお茶です。光沢の有る濃緑色の茶葉でしっかり撚られていますので、粉が少なく急須につまりにくいお茶です。抽出したときの色は透明感有る山吹色で新鮮な爽やかな香りです
■この普通蒸し煎茶の上級品は3人前で茶葉を10グラムの茶葉を急須に入れて、やや低めの70℃で1分30秒〜2分おいて出してください。二煎目は絞りきった急須に80℃のお湯を入れて40秒ほどおいて淹れてください。葉が固い分抽出時間が必要です。
【普通煎茶?(並級品)】
■煎茶の並級品の場合は5人前で茶葉を10グラムの茶葉を急須に入れて90℃のお湯で60秒おいて湯飲みに均等に注いで下さい。
【粉 茶】
■お寿司屋さんの“あがり”といえばこの粉茶、煎茶や玉露を作る過程で粉末化した茶葉を選別した物です。熱いお湯を注いで一気に出しますと、濃いめのお茶が出ます。味に比べて大変お得なお茶です。
■一人前2グラムで渋めの濃厚な味を引き出すなら、熱めのお湯で30秒以内に出してください。 竹製の茶こしかメッシュの網の急須が最適です。
【棒 茶】
■玉露や煎茶を作る工程で出る葉や葉柄の部分を集めて作ったお茶です。 静電気を利用してこの部分を選別するため電棒ともいわれます。茎ならではの青々した香りと爽やかな軽い味わいと甘み、そして軽い薄い水色でリーズナブルです。
■煎茶の棒茶で一人前3〜4グラムで熱めのお湯で60秒淹れてください。爽やかな 味が楽しめます。
【ほうじ茶】
■ 煎茶や番茶を高温で炒って香ばしい強い香りが有ります。渋みや苦みがなくタンニンやカフェインが少ないため子供さんからシルバー世代の方まで安心して飲めます。就寝前に飲んでいただいても良いお茶です又油料理にも合います。
■ ほうじ茶は一人前3〜4グラムを急須に入れて熱湯で30秒おいて出します。 さめてもおいしいお茶です。
【玄米茶】
■玄米の豊かな香りが体をリラックスしてくれます。玄米茶は玄米と緑茶とブレンドした物です。更にお抹茶を加えた抹茶入玄米茶も有ります。玄米にはうるち玄米と餅米玄米があり後者の方がはるかに香ばしい香りが強いです。
■一人前5グラムを急須に入れて熱湯を入れ、30秒ほど蒸らして手早く湯飲みに淹れます。
【ティーバッグ】
■上級煎茶の粉茶や煎茶をきざんだ物を、ナイロン製の編み目の袋にオートメーションで包装製造された物で、茶こしのない急須、やかん、土瓶等でご使用してもきれいにおいしく出ます。
■当店の場合、原料に深蒸し煎茶を使用していますので、熱い湯を入れてもおいしく頂けますよう加工してあります。少し冷ましたお湯で40秒〜1分淹れていただきますと、甘みのあるまろやかな味のお茶が楽しめます。
【抹 茶】
■抹茶は玉露と同じようにてん茶を原料に作られます。樹に覆いをして日光を遮るために茶葉はうま味と甘みを蓄えます。その若芽を摘んで蒸し、揉まずに乾燥させた後、石臼でひいて粉末にします美しい翠色がさえるお茶です。
■抹茶を茶こしでふるつてから使うとダマになりにくくて使いやすいです。茶碗を先に温めて茶筅も温めます。茶碗の内側を拭いて茶杓山盛り1杯半入れます。一度わかしてから80℃にさましたお湯を60℃位で入れます、片方の手で茶碗を押さえ茶筅を動かします。全体ダマなくきれいに混ざったらそっと真ん中から茶筅を引き上げます。そしていただきます。
茶業界ではお茶を急須で入れることを「淹れる」と表記します。下に標準的な淹れ方を表にまとめました。お好みでお茶の濃さとか味は適宜、茶葉の量やお湯の量や抽出時間などで加減して工夫して下さい。