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おいしいお茶を通してお客様の心身共の健康に役立ちたいと思います

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〒400-0025 山梨県甲府市朝日1-1-7

緑茶のコラムgreen tea column

雑感    

毎日何もないように飲んでいる日本茶ですが、その昔高僧が薬として持ち帰ったお茶ですが当時から江戸時代頃まで一般の庶民の口にはなかなか入りませんでした。明治以降茶畑が盛んに作られるようになり、それ以降どこのご家庭でも広く飲まれるようになりました。日常茶飯事という言葉があるくらい生活に溶け込むようになりました。しかしその昔、貴重品だったそのお茶も生活の中に溶け込み用になりました。戦後アメリカを始めとする西欧の文化やスタイルがどんどん入ってきて特にコーヒー紅茶が飲み物の最上位に置かれる事もありました。コーヒーや紅茶にはお金を払うけどお茶はタダでいただけるそんな風潮がありました。事実、当時喫茶店と云えばコーヒーをメインに提供していました。時代が変われば変わる物です、ペットボトルのお茶や水や空気まで買う時代になりました。価値観が変わり砂糖の入っていない飲料がもてはやされ、コンビニではショーケースに上から下までペットボトルのお茶が並んでいます。今やいろいろ研究されて、いろんな有効成分が有ることがわかって来まして、時代の最先端としてお茶が又見直され、いろんな食品や雑貨、電気製品にも応用されています。特に次の時代を背負う若い世代の皆様方にお茶を是非飲んでいただきたいと思っています。現在いろんなスタイルのお茶製品が有ります。そんなお茶をお客様とともに大切に育てていきたいと思います。摘採した茶葉を発酵させる、させないでいろんなお茶が出来ます。

緑茶のルーツ

■お茶の原産地は中国西南部の雲南省の付近の山地と考えられています。雲南省では食材料として飲んだり食べたり利用してきました。茶は南北朝時代には嗜好飲料として飲まれていました、中国が統一され南方では飲茶が盛んになりました。北方では唐の玄宗皇帝の時代のなって飲茶が流行しました。唐代には製法から飲み方まで紹介した陸羽よる「茶経」が著されました。16世紀にはヨーロッパの国々がアジアに進出してきて、茶の広がる要因になりました。陸路では東には北京、朝鮮、日本 西にはチベットからインドを経て中近東へ、海路ではイギリス、オランダ、ポルトガルなど当時の列強がインドや中国などを拠点に力を背景に交易してヨーロッパにも茶が伝わりました。
■日本においては最初に茶が登場するのは天平元年聖武天皇が自分の誕生会に100人の僧を宮廷に招き2日目に100人の僧に茶を与えたという伝説があります。1187年宋に渡った栄西は4年後に帰国して茶の種子を持ち帰り、栽培、製茶、貯蔵しその飲み方を広めましたそして1211年日本初の「喫茶養生記」を著しました栄西は種子を明恵上人に贈り、栂尾を皮切りに宇治、狭山など各地に蒔かれました。当時静岡県では興津の清見寺に植えられたということです。静岡県では静岡の茶祖と云われている聖一国師が種を蒔き栽培したのが最初だと云われています。聖一国師は静岡市大川に生まれて、35歳の時7年間に宋に渡り帰国してふるさとに帰った。時に中国から持ち帰った種子を足久保に蒔いたと伝えられています。

       

緑茶の生産

■お茶はツバキ科の常緑樹です。茶の樹は10月頃になると白い花を咲かせます、やがて花が散り残された子房は毛に覆われて越冬し、春とともに成長して夏頃には成熟した種子になります。しかし茶栽培では葉 以外に栄養分の消費を防ぐために花や実をつけさせません。葉が摘み取られるのは1年に3回くらいで一番茶では4月の下旬から5月中旬頃まで、二番茶ではその後40〜50日後の6月下旬から7月上旬に伸びた新葉を摘み、3番茶は更に30〜40日後の8月初旬頃摘みます。
■苗木から育てて一人前の茶園になるまで約5年かかります。茶の樹が威勢のいいのは7年〜10年くらいです。茶樹は施肥したり雑草を取ったり敷き草をして防寒対策し大事に育てられます。一番茶の芽生えの頃は良く霜の被害が有ります俗に言う(遅霜)です風のない晴れた日の明け方に良くあります。その為防霜対策として防霜ファンが取り付けられています。

静岡茶はなぜ優れているか

■静岡県の茶園の面積は21,000ha(日本全体の41.4%)で荒茶生産量は39,100t(日本全体の44.2%)で茶の生産はダントツです。もともとチャの樹は亜熱帯原産で温暖な気候を好みます。しかし極端に暑い地域では茶の生産が多いですが品質が極端に落ちます。かたや寒冷地での生産はもともと亜熱帯原産のチャの樹にとっては寒さに弱く凍霜害を受けやすく生産が安定しません。チャの樹の栽培に適した処は年平均気温が14〜16℃の範囲で冬の最低気温が-5℃程度に収まる処とされています。
■また年間の降水量が1,500mm以上で特に3月〜10月の生育期間に1,000mm以上必要とされています。これらの条件の気温と降水量とも静岡県の一部を除いて殆ど当てはまっています。静岡県は気象の面でも優位な立地条件になっています。また静岡県は茶の栽培の歴史が長く今まで多くの人たちが築いてきた優れた栽培技術のノウハウや多くの優秀な栽培管理の機械や製茶機械のメーカーが有ります。また荒茶の仕上げ加工業者が約600社もあり全国に向けての一大集散基地となっています。

山間地のお茶はなぜおいしい・摘採時期で味が違う

      

■昔から銘茶の産地は川の上流域の山間地で有名なところがあります。なぜ山間地のお茶はおいしいのでしょうか? 山間地は平地と比べる掛川茶畑と日照時間が短く、平均気温が低く朝晩の気温差も大きいところが多いです。そのため新芽の成長が遅く、新茶の時期が遅れますが新芽がゆっくり成長するために、うまみ成分が時間をかけて醸成され、また日照時間が短いためカテキン類が少なく、アミノ酸類が多くなる傾向があります。従って苦み、渋みがおさえられ、うま味・甘みが多い茶葉に仕上がります。またあと一つの特徴は「山のお茶」特有の強い香気が有ります。 当店のおすすめ  くらみ>>> 北斗の香>>> プレミアム本山茶>>>
■お茶を摘む時期によって味が違います。若く柔らかいうちに摘んだお茶と大きく開いて堅くなってから摘んだお茶では成分が違うからです。茶葉は成長するに従って「カテキン類」「アミノ酸」「カフェイン」などが減少して食物繊維と糖類が増加します。食物繊維が増えることは葉が堅くなることでお茶にしたときに成分が溶けにくくなります。従って早く摘んだ若い茶葉の方がうま味成分が多く、かつ成分が溶けやすく、おいしいお茶ができます。

高いお茶ほどおいしいか

お客様からお茶を買うときにお値段が高ければおいしいお茶でしょうかとご質問されることが有ります。確かに高級茶になればなるほどうま味の成分のアミノ酸が多いお茶になります。最近は近赤外線分析装置によってお茶のアミノ酸の成分量が簡単に測定され、多い物ほど高値で取引されます。しかしアミノ酸が多ければそれだけですべてのお客様にとっておいしく感じるお茶でしょうか? たとえばアミノ酸がきわめて多い玉露やかぶせのお茶の濃厚なうま味は「海苔」の様な味がします。その甘露は人によっては非常においしく珍重されますが、慣れないお客様にとってはまずい生臭いと感じる方もいらっしゃいます。逆に下級茶になればなるほど、あっさりしてうま味が少なく、苦みや渋みが増えてきます。従ってお客様にとってお値段を抜きにして「うま味」と「苦み」や「渋み」のバランスをどの辺でお感じになるかがポイントになると思います。お客様に合った物が最適なお茶だと思います。いろんな価格帯のお茶をお試しいただきご自分にあったお茶をお選び下さい。

      

古くなったお茶はどうする

最近のお茶製品は変質の防止のためにアルミ袋や缶入れで真空にして窒素充填した物が有りますが賞味期限を過ぎた物でも冷蔵庫に入れてあれば賞味期限を過ぎた物でも半年位はご使用になれます。封を切ったお茶は湿気を吸っていたり酸化している事もありますのでその場合はホットプレートやフライパンにアルミホイルなどを敷いて110〜120℃くらいの温度でかき回しながら加熱し香ばしい香りがしてきたら火を止めて下さい。そのまま置いておきますと余熱でかなり褐色になりますので早めに下ろして下さい。香ばしい自家製のほうじ茶ができます。

お茶は高いか

良いお茶は高いと云われますが本当でしょうか?上級なお茶は100g1000円以上しますが、ブレンドコーヒーは100g300〜400円です。重量あたりで計算するとお茶の方が高いですが。一杯あたりのコストではどうでしょうか? お茶は一杯あたり茶葉を3gほど使います。100g1000円のお茶だと30円になります。コーヒーは一杯あたり10gの豆が必要なので100g300円のコーヒーなら30円になります。コストだけでは同じですが、良いお茶は3〜4煎おいしく飲めますので30円÷3=10円になり、よいお茶でも決してお高くなりません。

お茶のビタミンCについて

お茶は割と知られていませんがビタミンCを豊富に含んでいます。高級な煎茶ほど多く含まれています。煎茶を4〜5杯飲むと推奨摂取量の30〜50%位とれます。しかもお茶のビタミンCは野菜などのそれとは違って熱に強く、壊れにくい安定した性質を持っています。なぜかというと「カテキン類」がビタミンCを守る働きが有るからだそうです。作物のビタミンCは日光を浴びることにより作られます。従って被覆栽培の玉露などより露天で栽培する煎茶の方が多くビタミンCが含まれます。

茶の栽培の北限と送風機について

■チャはもともと原産地が亜熱帯ですので寒さには通常弱い植物です。お茶の栽培が経済ベースで採算がとれる北限は太平洋側は茨城県大子町と日本海側は新潟県村上市を結んだ線が北限になります。栽培の北限は青森県黒石市になります。
■茶の樹の原産地は亜熱帯です。従ってもともと寒さには弱い性質があります。日本で栽培するのには気候とうまく向き合っていかなければ被害が出ます。茶芽の耐寒性は厳寒期はそれなりにあり、-6℃くらいは耐えられますが、春から新芽が発達して水分を多く含むようになるとだんだん寒さに弱くなり-2℃で凍霜害を受けます。日本の上空に寒気が流れ込み高気圧が覆い、風のない朝方には放射冷却現象がおこり非常に冷たい霜が新芽や茶葉におります。霜に当たった新芽は組織が壊死して茶色に変色していまいます。もちろんお茶の品質の低下は免れません。そのために冷たい空気を撹拌するために茶畑の各隅には大型の防霜ファンが設置されています。

一番茶とか二番茶って何

茶の樹の冬期は休眠状態になっていますが寒い時期を通り過ぎる3月頃になると気温の上昇と共に茶芽がふくらみ伸びてきます。そして黄緑色の新芽が伸びて一葉、二葉と開き始めてきます。静岡県では4月下旬〜5月上旬にかけて摘採されるのが「一番茶」です。一番茶を収穫した後2週間位してまた新しい新芽が出てきます。一番茶の収穫後45日ぐらいで「二番茶」がとれます。品質の面では「一番茶」の方が上になります。秋から冬の冬眠期を経て樹の中に十分蓄えていた栄養分が一気に「一番茶」の新芽の為に消費されるからです。うま味の成分のテアニンが「二番茶」の3倍以上有りますのでおいしいわけです。お値段も「一番茶」の方が高いです。二番茶は短期間で急成長するため一番茶ほど「うま味」の成分は少ないですが盛んな太陽の熱を浴びて成長するのでカテキンとかタンニンが多く含まれています。

湯飲み茶碗の話

私たちが普段使っている湯飲み茶碗が一般に普及したのは江戸時代以後です。いつの時代から湯飲み茶碗と呼ばれるようになったのか良く分かりません。茶道で使うお茶碗に対して湯を飲むために湯飲みというのも庶民的な感じがします。湯飲みの形は様々ですがだいたいお椀タイプと筒形タイプに分類されるのではないでしょうか。焼き物には陶器と磁器が有ります。前者は荒い土を低温で焼きます。磁器に比べると肉厚で素朴な感じになります。かたや磁器はきめの細かい土で高温で焼きます。繊細な薄手の器になります。従って各特徴をうまく利用して冬場は陶器の長湯飲みが保温性にも優れていますから利用します。夏は広口の磁器の湯飲みで冷煎茶などに向いていると思います。また湯飲みの大きさに関して云えば小降りの淡い湯飲みは上級なお茶を入れるのに適しています。大きめの湯飲みは普段使いの煎茶や番茶などタップリ飲みたいときに向いています。その時々のシチュエーションに併せて湯飲みを替えてご利用なさると生活も楽しくなります。

緑茶の色は茶色?

日本人は色を表現するのに自然界に有る物の色をそのまま云います。桃色、うぐいす色、空色、水色、灰色などなど・・・それらに対して赤掛川茶畑色、緑色、黄色などは元々中国の漢字を意味する言葉を使っています。それでは本題に戻りますが緑茶は急須で入れてもキレイな緑色をしていますが、こぼれたお茶などを拭いた布巾を暫くおくと色が褐色になります。その色がまさに茶色になります。あと一つ理由をあげると昔から庶民が飲んでいたお茶は茶葉を摘んで直に釜に入れて炒ります。そしてすぐむしろなどに広げてさまして天日で乾燥させます。できたお茶は黒っぽい色をしていたそうです。お湯で出しても赤かったり、黄色をしていたり決して緑色に出なかったそうです。その長い歴史的な流れの中で茶色という色の概念が定着したと考えられます。今のようにキレイな緑色のお茶の作り方(茶葉を蒸気で蒸して乾燥して仕上げる製造方法)は江戸時代の中期以降だそうです。

日本でも紅茶作っているの

日本で紅茶が作られたのは明治7年(1874年)でした。その頃は生糸とともに重要な輸出品でした。世界の需要はその頃緑茶から紅茶に移りつつ有りました。当時日本政府は中国人技術者をよんで国産紅茶の製造の指導に当たらせました。それから輸出用に紅茶は生産されるようになりましたが、もともと日本の紅茶原料の茶葉は中国種の系統で紅茶の原料には向かない品種でした。かたやインドやセイロンの紅茶原料はアッサム種という品種で紅色が濃く香りの非常に強い茶葉で日本の紅茶より優れ太刀打ちできませんでした。そこで日本政府は日本に適した紅茶の原料のための品種の開発をはじめました。昭和10年頃に「べにほまれ」という優良品種ができました。その後中国種とアッサム種を交配して「べにひかり」、「べにふうき」など育成されましたが昭和30年代には8,500トンも生産されましたが海外との価格競争に敗れ、昭和40年代の半ばで終わりました。現在は和紅茶として国内向けに復活しつつあります。

チャの気象災害

■チャの気象災害には寒害、凍霜害、干害、湿害、雪害、潮風害など有ります。干害は雨が降らない水不足で、湿害は長雨などで排水が悪い場合、根腐れを起こす事などです。潮風害とは台風の通過などで非常に強い潮風が吹き続くことで葉が傷んだり塩害が発生することです。主に九州から東海の沿岸部で起きることがあります。また最近は温暖化の影響で長期間雨の降らない干害が頻繁に起こるようになりました。チャの樹にとって一番深刻なのは凍霜害です。一番茶の摘採の直前に低気圧が通り過ぎた後、寒冷な高気圧に覆われると発生しやすくなります。凍霜害は-2℃以下になると発生して新芽が壊死して枯れてしまいます。この時期夜間に晴れて雲がなく、風が弱い時はチャにとって大変危険なサインです。だいたい八十八夜を過ぎると遅霜の被害はなくなります。
■凍霜害を防ぐ方法には、茶樹を被覆する被覆法、大型の扇風機で風をおこす送風法、茶樹に水をまく散水氷結法が有ります。この中でも現在一番普及しているのは「送風法」です。1970年代にミカン園で実用化されていた「防霜ファン」を茶園用に改良されて全国に広まっていきました。防霜ファンが上層の暖かい空気を吹き下ろすことにより、茶株面付近に出来た冷たい空気の層を撹拌して温度を上げます。防霜に一番効果のある散水氷結法は茶葉を氷で包み0℃以下にならないようにする方法ですが、大量の水の確保や排水設備の確保などむずかしい課題が多く、あまり普及していません。

低カフェイン茶とは

■低カフェイン茶について
煎茶には普通2〜3%のカフェインが含まれています。カフェインは茶の苦み成分として重要です。それ共に中枢神経系に作用して気分を爽快にする作用もあります。ただし人によっては過度に摂取する事で不眠など不快な症状をもたらすことがあります。低カフェイン茶はこのカフェインを通常のお茶の1/2〜1/3に減らしたお茶です。
■低カフェイン茶を作るためには
茶葉中のカフェインは熱湯により溶出されやすい、茶生葉、茶蒸し葉を85℃のお湯に浸漬した場合、いずれも1分間で約70%、3分間で80%以上のカフェインが溶出した。湯温を60℃にした場合はカフェインの溶出は非常に少なく、その効果はかなり温度に依存する事が分かりました。一方カテキン類の溶出はカフェインに比べて遅く、85℃で3分間の浸漬した場合、EGC(エピガロカテキン)が5.1%、EC(エピカテキン)が12.2%、EGCG(エピガロカテキンガレート)が4.1%、ECG(エピカテキンガレート)が3.6%の溶出率であった。以上の事から茶生葉、茶蒸し葉ともに、熱湯に1分間程度、浸漬することでカフェインを選別して取り除けることが分かりました。
■低カフェイン茶の製造
鹿児島県茶業試験場、静岡県茶業試験場、埼玉県茶業研究所、野菜茶業研究所・寺田製作所、ひしだい製茶・寺田製作所、福寿園などで独自の製造方法の開発や製法特許を取って商品として低カフェイン茶を販売しているところも有ります。まだ味的には普通のお茶のレベルではないので、関係機関や茶の製造会社ではさらなる品質の向上を求めて研究開発をしているようです。

ギャバロン茶とは

■ギヤバロン茶は血圧降下作用を持つγアミノ酪酸(GABA)を多く含有するお茶で、昭和61年に農水省茶業試験場で開発された。GABA含有を高めたお茶で有る事からギャバロン茶と名付けられた。業界の申し合わせにより、GABAが150mg/100g当たり(茶)以上含有されている物をギャバロン茶としている。
■製造方法は摘採したチャの生葉を一定時間酸素のない状態(嫌気状態)に置くこと、すなわち生葉を入れた容器内の空気を窒素ガスに入れ替えます。そうすると生葉の細胞は正常な呼吸が停止して嫌気条件下の代謝に移行します。そうすることでGABAが増加します。後の行程は深蒸し煎茶の製造だいたい同じです。ギャバロン茶のページ>>>

お茶の出物とは

煎茶の製造工程で出る副産物の事を業界では「出物」といいます。棒茶と粉茶が代表的な物ですが、かなり熱いお湯で淹れられる事もあり、価格も比較的安価で家庭や職場で人気です。「棒茶」は茎茶とも云われ、煎茶や玉露の仕上げの工程で機械的に選別した物です。一般に見た目は白っぽく、苦みが少なくさっぱりした味です。機械で棒を選別しますがどうしてもお茶の若くて一番おいしいところの「芯」が混ざってしまいます。見た目よりおいしいお茶です。また玉露の「棒茶」の事を特に「雁ヶ音(かりがね)」とも云います。一方「粉茶」はお茶の仕上げ工程で、葉がすれたり砕けたりしたものをふるいで選別したした物です。中に芽や芯の部分が混ざっているので、少量でも濃くておいしいお茶が出ます。昔からのお寿司屋さんで「あがり」といえばこのお茶です。

有機栽培茶とは

有機栽培茶とは化学合成農薬、化学合成肥料、化学合成土壌改良材を使わずに3年以上を経過し、堆肥などによる土作りを行った圃場で収穫されたお茶の事を云います。3年未満1年以上の場合は「転換期間中有機栽培茶」と呼びます。有機栽培の認証を受けたお茶は、製品に「有機栽培茶」、「有機茶」、「オーガニック茶」などと表記できます。そして製品には有機JASマークが入ります。転換期間中の物は「転換期間中」と記載する事になっています。

お茶の実【お茶の地図記号とは】

チャの樹は新芽を摘んでお茶に加工する植物なので、生殖と成長させないように栽培管理されている農作物です。そのため花を着けることは事は少ないですが、着ける場合は8〜12月頃に開花して、翌年の10月半ば頃に成熟した果実が裂けて、丸い茶色の種子を落とします。
種子は一つの実に3粒ほど張っています。この様子が地図記号の元になっています。また茶畑の記号と史跡や名勝の記号は同じ形ですが、大きさが違っています。茶畑の方が小さく、地図上では単体で記されることなく複数で記されています。

お水でお茶の味が変わる?

■昔からお茶には軟水が良いと言われてきました。水の硬度は、水に含まれるカルシウム塩とマグネシウム塩の総量を炭酸カルシウムの量に換算し直して示します。水1リットル中に炭酸カルシウムが1mgあるものを硬度1とします。そして、硬度200以上を硬水、硬度100以下を軟水と呼んでいます。
■日本の水の硬度は20〜80程度のものが多く、ヨーロッパの水は200〜400のものが多いようです。また、沸騰させると硬度が下がる一時硬水と、ヨーロッパの水のように沸騰してもあまり下がらない永久硬水とがあります。
■軟水でお茶を入れると、茶の成分がよく抽出され、旨味、渋味、苦味がバランスよく出て、日本茶本来の味を引き出します。しかし、硬度が低すぎる(10以下)と苦渋味を強く感じるようになり日本茶には適さなくなります。日本茶には硬度50〜80程度の水が適しています。
■お茶は水によりビックリする程、味が変わることがあります。違うお水でお茶を味わうのも日本茶の楽しみ方のひとつです。ただし、硬度が高すぎると、味は淡白になり、水色は無色に近くなります。紅茶では軟水がよく、300程度の硬水だと水色が暗色になります。ウーロン茶はどんな水でも影響は受けにくいようです。結論は日本の水は各種のお茶に相性がよいといえます。

お茶のブレンドについて

ブレンド(業界では合組といいます)とはいろいろな茶を混ぜ合わせることにより、単独の茶では得られない香味を創り出し、嗜好の多様化への対応と消費拡大を図るために行われます。例えば、山間地の茶は一般に香りが高く、平坦地の茶は滋味が濃厚であるといわれています。これら両地の茶を適宜ブレンドして香気と滋味のバランスのとれたものに仕上げることです。この作業は、主に茶問屋や茶商が行っており、その問屋特有の商品として、伝統的に取り扱われ、問屋の伝統的資産となっています。従ってこのブレンド技術は品質向上と同時に価格決定の基礎にもなりますので仕上げ加工の重要な物となっています。また茶業試験場では品種茶のブレンドによる香味改善について試験を行っています。「やぶきた」に、「ふじみどり」「さやまかおり」など香味に特徴ある品種をブレンドした結果、茶商の評価では全体的にブレンドの効果として滋味が「ソフトであたりがよくなる」ことが揚げられており、香味改善が図られています。